実印は必要に迫られてから購入するより先に用意しておくほうが賢明

戦国大名の印鑑

平安時代の終わりから、武士が政治の中心となる時代が始まります。武士の時代には、印鑑が、書画などへ捺されることはあっても、政治統治の文書に捺されることはありませんでした。それが、戦国時代になると、再び政治統治の文書にも実印が捺されるようになります。
戦国大名の印鑑は、法令や中央政府に規定されたものではありません。そのため、大きさにも、形にも制限がありません。小田原北条氏が使用した印鑑は、一辺7.5㎝の方形の中に「禄寿応穏」という文字を彫り、方形の上に虎が横臥した姿を描いています。一辺7.5㎝は、古代において印鑑の頂点と位置付けられていた「天皇御璽」印よりは小さいものの、「太政官印」印よりも大きいものです。さらに、虎の部分まで含めると、9.4㎝ありますので、「天皇御璽」よりも大きなものです。こうした大きさの印鑑が実印として使われていました。
この印鑑の特徴の一つとして、方形に虎の形像を加えていることがあります。動物の形像と印文という印鑑は、戦国大名のなかでも、関東地方に多く見られます。古代には見られなかった形状です。もちろん、古代と同様に、方形の印鑑も見られます。その他には、正円や楕円、馬蹄形あるいは鼎を象ったものもあります。様々な形がありました。印文は、たとえば織田信長の「天下布武」のように、願望を刻したものが多くあります。また、自分の名前を彫ったものもあります。色々な時代背景があり、実印を捺印する制度が出来たのは明治に入ってからになります。印鑑の歴史は奥が深いですね。

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