実印は必要に迫られてから購入するより先に用意しておくほうが賢明

江戸時代の庶民の印鑑

現在では、自分を証明するための方法がさまざまになってきました。指紋認証やアイリス認証などもあります。もっとも、文書の証明となると、実印が現在でも主流かと思います。たとえば、民法第968条は自筆の遺言書について規定していますが、遺言者が、その全文、日付及び氏名を自書し、これに実印を押さなければならないとしています。実印がなければ効力がないというのです。
こういった行為のルーツは江戸時代にありそうです。そもそも庶民が印鑑を所持していなければ、このような状況は生まれません。庶民が印鑑を所持するようになるのが、江戸時代です。江戸時代になると、村の支配が文書によって行われるようになります。そのため、文書に記載された人を区別する手段として、印鑑が使われるようになりました。こうして多くの人が印鑑を持つようになったのです。
そして、印鑑にも流行があったようです。江戸時代の初め頃は、意味不明の模様が彫られたものが多くありました。江戸時代中頃になりますと、漢字一文字を彫ったものに変化していきます。さらに江戸時代の後半になりますと、自分の名前を彫ったものになっていきます。おおまかには、このような変化をしています。
印鑑の形にも、変化があります。古い時期は楕円形や長方形など角形で二重に囲ったものが多く、後になると正円形で外縁が一重となっていきます。

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